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「桶川飛行学校平和祈念館」開館
2016年（平28）から桶川市が行っていた飛行学校建物の復元工事が完了し、2020年（令2）8月4日から一般公開されています。残存建物の部材の一部を使い、守衛所、車庫、宿舎兼下士官室棟(本部兵舎)、便所の4棟と兵舎裏の渡り廊下、当時の写真資料に基づき木製の正門も復元されました。正門わきの弾薬庫も当時の姿に修復されています。兵舎の1室にはベッドも復元されていますが、学校の歴史を示す展示は少なく、まずは、建物復元の公開がメインとなっています。飛行学校の歴史の概略は、上記「機関紙」から、「大空への鎮魂」第30号、または、見学のための「大空への鎮魂」号外 をダウンロードしてご覧ください。
平和祈念館の公開時間９:00～16:30 無料 休館日：月曜(祝休日のときはその翌日）・毎月末日・年末年始・特別整理期間 電話048-778-8512
熊谷陸軍飛行学校桶川分教場 解体前の全景 2016年(平28)年から解体され、令和2年3月復元。同年8月から一般公開
熊谷陸軍飛行学校桶川分教場(桶川飛行学校)は、昭和10年に開校した熊谷陸軍飛行学校(現在：航空自衛隊熊谷基地)の分教場として、昭和12年6月桶川市大字川田谷に開校しました。現在の太郎右衛門橋のたもとを旧道の方(上流側)にそれたところ(橋の脇の大イチョウの木の荒川上流方向100ｍ)に、現在も守衛所、車庫、営庭、本部兵舎、弾薬庫などが残っています。滑走路は現在のホンダ航空の滑走路と同じところで、川島町側、ホンダ航空社屋脇の堤防から滑走路に向かう広々としたところには、格納庫と現地事務所がありました。
ほかの兵科から航空兵を希望してきた召集下士官や少年飛行兵、学徒出陣の特別操縦見習士官など、昭和20年２月の閉校までに20期余り、推定1,500－1,600名の航空兵を教育しましたが、昭和18年9月に卒業した少年飛行兵第12期生は45名中18名が、昭和19年3月卒業の特別操縦見習士官第1期生は80余名中20名近くが戦死しています。昭和20年2月以降は特攻隊の訓練基地として使用され、同年4月5日、陸軍初の練習機による特攻となる振武第79特別攻撃隊12名が知覧基地に向け出発しています。この特攻機に途中まで同乗していった元整備員の体験談も公表され、また、特攻隊出発時の写真や隊員の手記、寄せ書きなども残されています。
昭和１9年３月特別操縦見習士官第１期生卒業
特別操縦見習士官第１期生の飛行訓練（昭和１９年２月ごろ）
特別攻撃隊第７９振武隊が九州知覧基地に向けて出発した（昭和２０年４月５日）
2020年8月、復元工事が完了し一般公開されている桶川飛行学校平和祈念館
➀守衛所棟 ②車庫棟 ③中央兵舎棟(宿舎兼下士官室）④便所棟 ⑤兵舎棟裏の渡り廊下 ⑥弾薬庫(改修）
＊下の写真は、中央兵舎棟(宿舎兼下士官室）と車庫(右側）。 木製の正門と門扉も復元されました。
◆復元された門扉と守衛所棟（左）
◆復元工事完了まで
・2016年（平28）2月 桶川市が指定文化財に指定
・2016、2017年年度 解体調査及び設計
・2017～2019年度 復元工事
・2020年3月 竣工 同年8月一般公開
◆ 旧陸軍桶川飛行学校を語り継ぐ会は、2017年10月、旧陸軍桶川飛行学校を解説したＤＶＤを発行しました。内容は、① 動画とＣＧによる飛行学校の歴史解説(17分） ② 紙芝居による特攻隊出発のエピソード（上尾の紙芝居グループ「やぎさん一座」制作 19分）③ 飛行学校建物解体前の映像（3分） 販価1,000円(送料込）
➀の解説は、昭和12年の飛行学校の発足から入校した飛行学生の生活、特攻隊の訓練と第79振武隊の出発、そして戦後は大陸からの引揚者の住居となったことなどを、残された写真と現在の様子を対比しながら、また、学校当時の建物配置をＣＧで再現するなどしてわかりやすく解説したものです。
「旧熊谷陸軍飛行学校桶川分教場整備事業基本設計図書」（抜粋と要約）～平成２７年度に桶川市がものつくり大学に委託して作成した設計図書の一部を本会が解説します～
解体前の記念に、飛行学校ポストカードを制作しました
平成28年(2016)４月、解体が始まる前、兵舎正面の山桜が満開のとき、７９年の歳月を経た飛行学校建物の撮影をプロのカメラマンにお願いしました。毎朝の撮影は大変な熱の入れようで、10日近くも現地に通ってベストショットを探しました。そこへ桶川ロータリークラブからご支援の話がありましたので、８枚組の絵ハガキを制作いたしました。撮影した解良さん並びにロータリークラブには厚くお礼申しあげます。販価300円（送料込み）です。会員には、無償でお配りいたしました。
ポストカード８枚と専用封筒及び解説「旧陸軍桶川飛行学校ポストカード発行に際して」のセットです。
